生きる為のひとつ

趣味で小説を書く者です。

タイトル未定

タイトルはまだ未定の小説です。パッと思いついたものなので今後書くか分かりませんが、書いたところまで載せます。

 

 

 

僕は、人より幸せだ。

生まれてからお金や対人関係に苦労をした事がない。

祖父母も、父も母も、少し病弱な婚約者も毎日笑顔で暮らしている。

あまり勉強をした事も無いのに、何故か良い大学に入り、一流企業に就職した。

人生にこんな簡単で良いのか?と自問した事もあったが、僕はたまたまツイているだけだ、人より運が回るのが早いんだ、と自答した。

余計な事を考えるのは疲れるし、考えない方が幸せだと思わないだろうか。

だから僕は呑気に生きてきた。

「過去も今」も、僕は幸せなのだ。

そう言うけれど実の所、僕は過去の事をあまり覚えてはいない。

苦労した事が無いと言ったけれど、その記憶はいつも走馬灯の様に一瞬にして流れるだけで、全ての過去の記憶は正直ハッキリしたものではない。

それでも不自由をしていないのなら良いじゃないかと思っていたのだけれど、今度行われる僕達の結婚式で皆に向けてお互いの昔の話をする事になった。

こんなきっかけが無い限り僕の性格上、過去を気にするような人間ではないので、過去を深く思い出してみようなんて考えなかっただろう。

この出来事をきっかけに、僕は深く知りえなかった全ての過去と真実を知る事になった。

 

 

 

@harukisn